,,,,,,,

同潤会アパート2

同潤会アパートメント2
 
旧同潤会大塚女子アパートの保存・再生を目的としたアートイベント『アパートメント』は、かなり実現が難しいところに追い込まれている。私たちが動いたこともあって、NHKや新聞でかなりとりあげられているのだが、つい最近、石原都知事は、保存の必要なしと言明した。(私たちの望んでいるのは再生で保存だけではないのだけれどね)

この盛り上がった流れをどうにか活かしたいと思う。それは、このイベントの呼びかけに応じて集まってくれたたくさんの若いボランティアがいて、その彼らが自分の意志でいろいろ考えて動いてくれているからだ。この若いパワーをもってしたらどうにかなりそうなものなのに……思う。ボランティアが集まった段階で、私はイベントは成立すると思っていた。それは甘かった。

時代が変わってきている。昨年5月に京都で、そして11月に名古屋でペヨトル・ファイナルイベントを行ったが、そこに集まってきてくれたボランティアの人たちのパワーと、ものごとを考える態度に驚いた。彼らの力がなかったら二つのイベントともに成功しなかっただろう。そして同潤会大塚アパートを執行するために集まってきてくれたボランティア・パワーもかなりのものだった。大きな未来の可能性を感じる。ボランティアには、奉仕というイメージがついてまわるが、私にとって彼らは、自らの意志で何かをしようとする意欲をもっている人たちであって、結果は奉仕かもしれないが、何かを一緒にやる仲間というのがぴったりくる。

集まったボランティアの人は、イベントが暗礁に乗り上げると、地元の商店街の人を一人ずつ訪ねて話しをしたり、アパートの掃除をしたりして粘り強く活動を続けている。ボランティアの人たちと作業していて楽しいのは、議論がきちんとできるということだ。私にとってのきちんとした議論とは、話しあった結果、意見を変える可能性があるということだ。

ボランティアには、建築家の学生が多いのだが、はじめは建築というハードを中心の考え方で保存・再生運動を捉えていたが、いろいろ話しているうちに、しだいにソフト優先の考え方が変わってきたように思う。これは私にとってはじめての経験で、20年近くの建築関係者との仕事をするなかで、どうしてもハードを先に考えてしまい、考えを変えない建築家やその卵たちの態度にうんざりしていたので、本当にびっくりした。

アパートだったので内部を誰も見ないまま解体されてしまう。イベントができないのならせめて記録を作成するのと、公開見学会という形で、できるだけ多くの人に建物を見て、体験してもらって記憶にとどめてもらいと思って交渉したが、それもままならない。どう考えても解体の前に見せないというのは、理不尽だと思う。

最後の手段として公開を求める署名を集めて東京都知事に送ることにした。この意見に賛同する方々、そして旧同潤会大塚女子アパートを見たいと思う人は、ぜひ「2ー:+」のサイトにアップしてメールを送ってください。お願いします。可能性は低いけれど、たくさん集まれば、何かが起きるかもしれない。公開見学会が実現したら、ドキュメントのためのワークショップを開く予定です。是非協力してください。

これまでの活動についてはwww.2minus.com/apartment/

署名はwww.2minus.com/open-apartment

にアクセスしてください

  HOME | INDEX |
| Editor'sTalk |