アーツアポリア

夜想日記12/2003/7/19



大阪港駅を降りると、潮の匂いのする重たい空気を感じた。港に向かってずっと歩いて行くと煉瓦倉庫の一群が見えてきた。

ペヨトル工房が解散したときにいち早く、本を保存するために買い上げてくれたのが大阪アーツアポリアだ。もちろん間に立ってくれた人が何人もいる。ペヨトル工房が発行した207冊のうち179冊を保有している。ペヨトル工房の本は、公共機関や図書館にもまとまってないだろうから、唯一最大のコレクションだ。

このコレクションに触れる会が企画されて、京都のファイナルで活躍した暗黒番長が解説をするというので、面白そうだから顔でも出そうかと言っていたら、いつのまにかトークショウをする羽目になってしまった。

名古屋と京都からペヨボラ(ペヨトルボランティアのこと。愛を込めて)のメンバーがたくさん駆けつけてくれて会は盛況だった。ペヨボラのメンバー以外はまったくペヨトル工房をしらない若い世代で、夜想復活を前にして、新しい読者となるかもしれない人たちに会えたのは嬉しかった。

大阪市の保有する煉瓦倉庫は素敵な場所で、横浜の煉瓦倉庫のように改造もしていないままなので、荷物の匂いが強烈に残っている。この場所の匂いやロケーションを活かして作品やイベントができたら、大阪から新しい創造の波が発生するような気がする。

イベント仕様になっていないので、消防法で50人までの観客しか入れられなかったり、大阪市の予算が限られていたりで運営は大変そうだが、ぜひ、どんどん活用していって欲しいものだ。というかすぐに何かやりたいと思ってしまった。
またイベントをやりたいと言ったら、今は、雑誌を成立させるのに専念しないとねと、ペヨボラのメンバーにたしなめられてしまった。そうだよな。夜想をちゃんと復刊させなきゃ。

 

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