闇の力

夜想日記/2004/09/11


東京芸術大学の学園祭、藝祭で楳図かずおさんと対談。テーマは『闇の力』。
屍体やフリークス特集の夜想にへび少女の楳図さんということで、呼ばれたのだろうが、
二人が問題にしたのは
境界が見えなくなっている闇
心の中に生まれた闇のことだった。
メジャーのマンガは書けないことがあって……。
と、楳図さんが言う。
本当の闇を隠そうとしている
隠すといけない
闇はいっそう深くなる
佐川君
宮崎君
酒鬼薔薇聖斗
見たくないものをずっと隠してきた
ゴスロリもファッションのように見えるけれど
どこかに強烈な闇を隠しているような気がする
かつて
闇は
親和力をもっていた
いまの闇は
ざらざらとしていて
皮膚を殺傷する
いや皮膚だけではないかもしれない
楳図かずおの作品は
闇の未来を描いたものだ
次々と現実が追いついてくる最後の長編『14歳』の世界はまだ
こない。
だけど……。
もう現実になりかかっている
14歳に描かれた
語れない秘密の話を控室でしてくれたが
余りにも現実にリンクしていて
おそろしい
闇はいつから人を傷つけるようになったのだろう。

 

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