解散日記24

 

 9月29日

 

がらんとしたペヨトルのフロアで、バイトのAさん、経理のUさん、元ペヨトルのデザイン部門にいたAちゃんと、「終わったね」と言いながら一服していると、「みんなでこんな作業するの久しぶりですね。」という話しになった。

「そうだねー。編集という作業を一時期、集団作業でやっていたときは、みんなで何をするのも一緒だったね。」「そんな時があったんですか」「ペヨトルは84年にMacを入れてDTPを先駆けてやったんだけど、その前から部分的に似たようなことをしていて、単行本を作るにも、自分たちで文字を打ち込んで、その頃ようやく稼働しはじめた電算写植で棒ゲラをだして、それをみんなで版下用紙に貼っていたんだよー。だから人手がたくさん必要で、WAVEを出していたころは、デザイン部門だけで5〜6人のスタッフがいたかもしれない。」「へー。そんなにいたんですか」「そう、合宿までしてたんだから」「合宿ですか」「テニスをしたり、ゲームをしたりもあったけど、雑誌を作るための基礎知識をみんなに徹底するために講習もしたりした。版下まで社内で作る一方で、営業経費を節約するために、製版フィルムや製本も別の会社にそれぞれ発注していたから、管理ひとつとっても手間がかかっていた。印刷所から製本所へ何時に移動するかまでをやっていたんだから。」「……良く分からない」「その集団作業をDTPでほぼ個人作業としてやっている。編集もだいぶ変わったし、会社の態勢も変わった。そしてDTPになることでアートディレクター、エディトリアルデザイナーの役目と重要性が大きくなって、……」「あっ。積み込みの作業が終わったみたいですよ。」



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