解散日記41

 

 1月2日

       

 源ちゃんから連絡があった。源ちゃんというのは舞台創造研究所+柝の会を主宰している竹柴源一さんのこと。ペヨトル工房の「かぶきはともだち」を始めとする歌舞伎の仕事は、すべて源一さんを通じて成立している。歌舞伎を教わったのも、源一さんからだ。今でもボクの歌舞伎のお師匠だ。

 打ち合わせに行ったら、速攻で歌舞伎の本を作らなければならないようだ。まだ完全にフィックスした仕事ではないので、どうなるかは分からないが。急いでスタッフ組をしないと。本とビデオが合体したものらしいが、舞台創造研究所の人が、ビデオでは芸は、伝えられませんから、文字を想像しながら読んではじめて、芸は身になるのです。だから力を入れて本を作りたい。とにかく本が大事ですと……。文字の力をどうどうと語る潔さにちょっと驚いてしまった。歌舞伎が古典だからそう言うのではなくて、本の力を正当に認識しているということなんだろう。何か嬉しい、仕事が決まったら、久々に文字の世界だ。



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