解散日記42

 

 1月12日

      

 エディション・トレヴィルの川合さんと、出版の話をする。もうトレヴィルが解散して、2年近くになるのか……。今、川合さんは、エディション・トレヴィルで、しっかりと出版を継続している。すごいなぁ。出版に対する意志がある。見習わなくっちゃ。でも、出版界の現状はあいかわらずかなり厳しいようだ。中堅どころの出版社はあっぷあっぷしているし、取次だって安泰じゃないだろう。じゃぁどうするのか。新たな販売ルートを作るのか。

 新規にやっていくんだともっと苦しいだろう。新たに口座を開くことが難しいし、率が悪すぎる。大手に口座を借りるか……。

 ペヨトル工房も解散してもう少しで1年になる。さまざまな人々の力で、HP、ML、メルマガがきちんと機能しているので、このままでも何かできそうな気すらしているが、そうも言っていられない。ペヨトル工房はできるだけ存続して、次の展開も考えていこう。エディション・トレヴィルともうまく共同していける部分があると面白いのだがなぁ。もちろん共同は簡単ではないので、HPでショップの共有とか、フェァで在庫を一緒に売るとかの簡単なところからしかはじめられない。でも相互に盛り上がれれば、旧在庫の再販だって夢じゃない。

 シビアな現状の経済について話しながらも、ついつい出版の夢の部分に話しが飛んだりもする。この時期だからこその1万部というのもあるよねと川合さん。トレヴィル時代に、大ヒットをとばしているだけのことはある。僕はペヨトルで「銀星倶楽部」デヴィット・リンチ特集で、2万9千部が最高だから……とちょっと照れながら答えたりする。リンチは、今、CGや動画を作っている大河原浩一さんが編集した。「ツィンピークス」のヒットの前に作りはじめていたので、3000部かなぁと言っていたので、びっくりした。ペヨトル工房は、ヒットを狙って作ったことはないので、ミドルの出版社で、ヒットも作ろうとする川合さんの話は、面白かった。



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