解散日記4

5月28日

解散日記に、20代の人に支持を得られなくなったと、書いたら、20代の方からファンもいます、頑張れと励ましのメイルをいくつももらいました。ありがとう。何らかの形で頑張るからね。中には一人十代の人もいました。ありがとう。本当は逆なのかもしれない。30代以上の人は、知っているけどもう買わない世代になっているのかも。

ペヨトル工房は、皓星社(こうせい)という会社に口座を借りて夜想からはじまった。そのときは、個人でやっていた。後、ペヨトル工房という法人になり、さらに皓星社の経営問題から、困っていたところを思索社に救われて口座を借り、さらにしばらく頑張ったあとで、思索社に独立のためにいろいろ尽力してもらって、取次口座を開いてもらって独立した。

口座を開けるときに鈴木書店は、こういうポリシーのある出版社は応援してでもやっていくものだと、他社の掛け率よりも1分高い率で契約してくれ、しかも分戻しだの三割保留だのをつけずに運営してくれた。だからこそやってこれたというところがある。大手と中小、弱小の出版社の契約内容の差は、一般的には信じられないくらいの差で、もし大手の掛け率なら年間で何百万も売り上げが多くなる。条件の不利は別に今回の解散とは直接関係がない。それでずっとやってきたんだからね。

現在の日本の会社の状況を見ていても分かるけれど、メガクラスの大きな会社と、あとは本当に小さな個人でやるような会社とに二分されてしまうのではないだろうか。たぶん出版社もうんと小さければ生き残っていけるのかもしれない。ミドルの部分がものすごく辛くなっている。ペヨトル工房は零細だったのでミドルというわけではないのだが、機構的には倉庫も二つ抱えて、機能的にはミドルの出版社と同じ形態をしていた。どうにも動きがとれなかったというのが本音のところだ。



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