解散日記14

7月19日

西洋環境開発の整理が発表になった。西洋環境開発というのは、セゾングループの不動産部門などをになっていた会社で、ペヨトル工房がセゾングループと提携して出版していた雑誌「WAVE」の所属も西武百貨店からWAVEを経て、一時期は西洋環境開発に籍を置いたこともあった。

整理にあたって堤清二さんも100億の資金を提供したと報道されている。経済の話なので印象で安易な発言は避けるべきだろうが、文化が経済に負けたなととっさに思った。負けているのはだいぶ前にわかっているのだが、ここに来て確定したなということだ。

7月14日〜16日までイスラエルの若手ダンスグループNoa・Darのワークショップが森下スタジオで開かれて、興味深く見学させてもらったが、それもセゾン文化財団の支援によって成立している。いまもなおセゾンは文化に貢献しているのだ。100億あったらベネチアビエンナーレクラスの国際展を併設する美術館運営ができて、しかもグローバルに影響を及ぼすことができるのになとふと思う。そごうの整理に関して、税金投入がどうのこうのと言われているが、これまでに投入した金額のことや、その企業がどういう姿勢で公共的な役割を果たしてきたかなどを余り考慮しないで話しが進んでいる。

セゾンのおこなってきた文化事業に関してのみ、公的助成で3年間維持をして、その後、公共と民間とでどう成立させていくというようなことを考えられないものだろうか。

別に理想論を言っているわけではない、欧米なら可能なことだろう。公的資金が望めないなら、市民が支えるという話しもあるだろう。でも日本にはないのだ。ペヨトル工房も解散業務をしているので、関連して、お世話になったグループの解散業務に関しては、自分のことと同様に気にかかる。



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