解散日記16

 

大谷美術館の藤本由紀夫「美術館の遠足」の会場から、ログス(車を走らせてその走行の音を車内に流すインスタレーションを始めとして、音を使ったユニークな作品を作る)のメンバーに拉致されて、ウエルカム・パアティの会場に向かっ た。乗ってねと、いち早くログスに誘われたのに、車に乗らなかったのを今だに残念に思うが、代わにメンバーのバイクの背に行くのを楽しんだ。荷物を持っているので、彼らにしてみたら最低速度だったのだろうが、こちらには、ちょうどよくバイクの背に乗って風景をみるのは、なかなか楽しいものだとひとりごちた。

会場の若いギャラリストの家に着くと、料理を食べながらビデオ上映会となった。これがなんと80年代に応援していたRTVの「TV WAR」や西武の「WAVE」に終結していたクリエイターたち(ウゴウゴのメンバーやポケモン石原社長とか……)の作った「浅田彰を中心にしたTV文化論」のビデオで、ボクもコピーを持っていないものだった。「TV WAR」はパッケージ化されているのでともかく、オンエアのものは、深夜の2時とかにゲリラ的に放映されたもので、よくまぁと感心しきりだった。当時のいろいろな制作の裏話などをしながら、「TV WAR」にちらりと映っている余りにヤクザな我が姿にびっくりしたりもした。

若いアートキューレーターやアーティストでRTVのことを注目していた人たちがいるが、放映という瞬間のメデァも記録されてかなり有効な力をもっているんだなぁと改めて感心した。RTVはペヨトル工房がディレクションした後楽園特設テントで細野晴臣とジョイントしてデビューしたビデオを演奏するグループで、メンバーは原田大三郎と庄野晴彦の二人だった。このイベントの冊子もペヨトル工房から銀星倶楽部2+1/2号として出されたが、やっぱりメディアはしっかり作れば何かの布石にはなるのだなと実感した。

 

ようやく書物の森への4000冊の配送が終わった。

ペヨトルを助けてくれる友人達が、あちこちのHPにリンクしたり書き込みをしたりしてくれるので、断続的ではあるが、集中的にメイルで注文がある。とても嬉しい。

しかし断裁へのタイムリミットは近づきつつある。

書店でのフェァがいまひとつのびない。



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