解散日記18

 

8月21日

翻訳本のいくつかに文庫化の声がかかって、ほぼ、決まりそうだが、何かちょっと考えてしまった。著作本や翻訳本は、基本的には、著者や訳者の所有物なんだなぁとつくづく思った。ペヨトルでは、小説を出版してこなかったからその感覚が稀薄だったのだろうが、編集者が資料を揃えたり、アドバイスしたり、赤入れを手伝ったりしても、小説に編集者の編集権はない。だから時代がたって小説家がメジャーになったり、あるいは出版社が気に入らなくなったり、ステップアップしたりすると、著者は自分で好きに移動する。

ペヨトルだっていくつかそういうことがあった。新人の写真家の写真集を出して、賞までとったんだけど、ちょうど注目が集まって、さあこれからというときに、大手でその写真を含んだ完全写真集を出すから、再販してくれるなと言われた。言われたら出版社はどうしようもない。再販をあきらめた。写真集なんて、再販からでしょう。うちは、ちゃんと写真集に新人でも印税を払っているしね。あとで、その写真集を見たけど、冷静に見てペヨトルの編集の方がいい。

ペヨトルを解体していって、残るのは何か? そんなことを思った。

あと、自分が余りに呑気で吃驚したが、書店に行って別冊宝島はどこにありますか?と聞いたら、倒産したのでないです。と、書店員????そしたら隣でお金を払っていた客が、そうだよねー。残念だよねーって。相づちを打っていた。ほんとうなの。ネットで検索してもそれらしいことは出てこないし。単なる間違い?



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